第九、聴いてきました!

世界中でこんなに第九を演奏する国は日本くらいだし、別に年末以外に聴いたっていいじゃん!と思いながらも、やはり年末になると聴きたくなるのが第九。ましてや今年は「ベートーヴェン生誕250周年」。今年聴かずにいつ聴くのだ!と思って第九聴いてきました。今年の第九は演奏団体ごとに様々な工夫がこらされていて、例年よりむしろ多様性に富んでいたかもしれませんね。どの団体も例年よりは小編成だったこともあって、一番違ったのはとにかく合唱。こんなにクリアな曲だったのか!?と思うほどでした。少人数編成で第九を歌うのは歌い手のレベルが求められる大変な難曲ですが、今年大活躍だった新国立劇場合唱団の合唱はさすがに素晴らしく、少人数編成であることを感じさせない演奏でした。

中間部のマーチが結構早いテンポ設定で、ベートーヴェンの時代にはこんな早いテンポ設定では無かったのでは?と思いつつ、現代のスピード感にはこのテンポも合っている気もします。ソリストと合唱は良かったと思いますが、オケはものすごく大変だったと思います。それでも最後まで弾き切っていて、終演後の舞台上で弦楽器と管楽器の皆様がやり切った顔をしていたのも印象的でした。おそらく毎年聴いている第九ですが、こんなにすっきりしたクリアな第九は初めてで、もしかするとベートーヴェンがイメージしていた第九はこんな感じだったのかもしれない・・・と思わせてくれる素晴らしい演奏でした。

バリトンは実は学生時代から知っているソリスト。普通大学の男声合唱からサラリーマンを経てウィーン国立音楽大学に入学してソリストになった変わり種。声楽には音大を出ていなくてもプロになっている人が結構いるけれど、才能と努力が実を結んだ感じでした。プロを目指すかどうかは別にして、若い時に真剣に音楽に向き合うことは本当に素敵なこと、と感じました。

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