時間貸しをしない理由

スタジオ開設において「どのように使っていただきたいか」ということを考えるにあたり、大事なことが「貸し出しの時間設定」でした。マーケット調査の観点からも、当然ですが様々なスタジオのサイトを調べました。結果、公共の施設であればともかく、民間の施設であればほとんどの施設が「1時間ごと」の時間貸し設定です。細かいところでは30分単位で借りることもできて、「少しだけ弾きたい、歌いたい」というニーズを満たしていると思います。一人練習を前提としたスタジオであれば、それでも十分で、カラオケボックスなどで一人練習をするのもよくわかります。

でも、私が目指していたのは「アンサンブルをしていただくためのスタジオ」。スタジオに入って「自分の体と心」と、「アンサンブルするメンバーの体と心」の状態を整えてからでないと、アンサンブルを楽しむことはできないと思っています。鍵を開けてアンサンブルして鍵を閉めて出るまでが1時間では、音楽ができる時間は正味45分程度。あまりに慌ただしすぎますよね。

もう一つ考えていたのは、公共施設とまではいかなくても、できるだけ低コストで利用できる形を考えたい、ということでした。時間貸しでご利用いただくとどうしても隙間時間が出来てしまい、その穴を埋めるために1時間当たりの金額を高く設定せざるを得ないことになってしまいそうでした。それは私が目指していた方向とは違うこと。ここは譲れないことでした。

結果として「区分貸し」をしています。ご利用いただいている方の中には、18:00-21:30の間であっても、19:00-21:30しか使わない、といったご利用もあるようです。ですが、利用時間に余裕があることで、気持ちよく音楽に向き合えるのではないかと思います。ちなみに、解錠可能時間が利用時間の前後15分を含んでいるのはここだけの話。予約時間内ギリギリまで練習しても、とてもきれいに片づけて退室いただいています。ご利用いただいている皆様、いつもありがとうございます。

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